鶏飯が奄美で愛される由来とは?シンプルで美味しい鶏飯の特徴
こんにちは!奄美大島の魅力をお届けする、奄美物産です。
奄美の郷土料理といえば「鶏飯(けいはん)」が有名。
奄美の歴史とともに伝統的な食文化として今も受け継がれ、愛され続ける人気の郷土料理です。
また飲食店や家庭でも作り手によって味付けや工夫も様々で、それぞれの味があります。
鶏飯は、平成19年に農林水産省が選定した「農山漁村の郷土料理百選」に選ばれており、その中のインターネット人気投票ランキングではなんと2位という好評をいただきました!
奄美で鶏飯が郷土料理として広まった理由とは?鶏飯ってどんな料理?
今回は、奄美を代表する郷土料理「鶏飯」についてご紹介します。
鶏飯が奄美で食べられるようになった由来
今から約400年前の江戸時代、奄美諸島が薩摩藩の支配下にあった頃、薩摩の役人をもてなすために鶏肉の炊き込みご飯が作られていました。
当時は薩摩藩に年貢を納めるため、黒糖づくりに追われていた厳しい時代だったそうです。
そのため、鶏肉料理は地元の庶民は口にすることができない高級料理だったと言われています。
その後の戦後昭和21年、とある旅館の初代館主によって「ふるさと料理復活の研究」でアレンジが加わり、現在の鶏飯が誕生したのです。
それはご飯に具材をのせて「鶏肉の旨味をそのまま生かしたスープ」をかけて食べるシンプルな料理。
現在の天皇皇后両陛下が皇太子殿下・妃殿下の頃に奄美に訪れた際は、奄美を代表するお食事として鶏飯が提供されました。
お二人が「おいしい、もう一膳」とおかわりをされ、皇后陛下(当時の妃殿下)がレシピを聞かれたというエピソードは、地元では有名なお話です。
これを機に、鶏飯が広まり奄美を代表する郷土料理の一つとなったのです。
そもそも鶏飯とはどんな料理?
奄美大島を代表する郷土料理の1つである「鶏飯(けいはん)」は、お茶漬けや雑炊に近い食べ物です。
お茶漬けと違って贅沢なのは、ご飯の上にお好みの具材をトッピングして「鶏ガラスープ」をかけていただくという点ですね。
一般的な具材は茹でてほぐした鶏肉、錦糸卵、椎茸の甘煮、お漬物(島ではパパイヤ漬けが主流)、きざみネギ、きざみ海苔、乾燥したみかん(またはゆず)の皮などがあります。
鶏飯の一番の決め手はなんといっても「鶏ガラスープ」!鶏ガラを茹でながら丁寧にアクを取る作業は時間がかかります。
また、茹でた鶏肉をほぐす作業の手間も大変なので、日常的に食べられるメニューというよりはお祝いやお客様のおもてなし料理として重宝されています。
鶏飯が自宅で楽しめる簡単レシピ
鶏飯は少し手間がかかりますが、家庭でもスーパーで買える材料を使って作れます。
元々がシンプルな味付けなので、家庭によってはスープの隠し味を足すなど様々ですが基本のレシピはこちら↓
具材料
・鶏ささみ、またはむね肉(参考:ささみ1本およそ50gで2~3人前)
・錦糸卵
・椎茸の甘煮
・きざみネギ
・きざみ海苔
・パパイヤ漬物(なければたくあんでもOK)
・みかんやゆずの皮のみじん切り
スープ材料
※水500㏄の場合
・鶏ガラ2本以上(濃厚加減はお好みで)
・長ネギ1/2本
・皮つき生姜少々
・うすくち醤油大さじ1
・塩少々
作り方
①鶏ささみ(またはむね肉)は湯がいて繊維に沿ってほぐします。
②スープ材料の鶏ガラと長ネギ、生姜を煮込みながらアクを取ります。
③スープが透き通ってきたら、うすくち醤油と塩で味をととのえます。
④ご飯は少なめにしてお好みで具をのせて、スープを多めにかけていただきます。
ちなみにご飯(炊いたもの)は先に洗って水切りしておくと、ご飯がスープを吸わないのでサラサラとして、より食べやすくなりますよ!
具材はお好みでアレンジしてみるのも、トッピングの楽しみが増えて良いですね。
「もっと簡単で本格的な味が食べたい」という方はぜひお取り寄せ鶏飯をどうぞ!
ソウルフード「鶏飯」は奄美の先人たちによる努力の結晶
古い時代におもてなし料理として開発された鶏の炊き込みご飯から、時代とともに変化し完成した奄美の鶏飯。
そこには先人たちの並々ならぬ努力があり、今では地元の人に愛される郷土料理として定着しました。
シンプルな味付けの鶏ガラスープは、鶏飯を食べ終えて「お腹いっぱい」でも、また「スープだけあと1杯!」と飲んでしまうほど人を虜にします!
奄美にお越しの際は、ぜひ鶏飯をみしょりんしょれ~(お召し上がれ〜)!
※「みしょりんしょれ」は奄美物産がある瀬戸内町の方言です。